暫時の意味とは?読み方・使い方を例文でやさしく解説

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暫時の意味と読み方

「暫時」は「ざんじ」と読み、「しばらくの間」という意味を持つ言葉です。

日常会話で使う機会はあまり多くありませんが、ビジネス文書や小説、古典作品の中ではよく見かけます。高校の国語で芥川龍之介の『羅生門』を読んで、初めてこの言葉に出会った方も多いのではないでしょうか。

「暫時」の「暫」は「しばらく」、「時」は「とき」を意味します。2つの漢字が合わさって「しばらくの間」という意味になっています。

暫時の意味は「しばらくの間」

暫時の意味をもう少し詳しく見てみましょう。辞書では次のように説明されています。

暫時の辞書的な意味
  • 少しの間。しばらく
  • すぐではないが、それほど長い時間ではないこと
  • 副詞的にも使われる(例:暫時休憩する)

ポイントは「一時的」というニュアンスがあることです。完全に終わるわけではなく、あくまで「少しの間だけ」という意味合いが含まれています。

読み方は「ざんじ」──漢字の成り立ちから覚える

暫時の読み方は「ざんじ」です。「ぜんじ」と読み間違えやすいので注意しましょう。

覚え方のヒントは漢字にあります。「暫」という字は「斬(き・る)」と「日」で成り立っており、「時間を断ち切る=短い時間」というイメージです。「暫=ざん」と読む漢字だと覚えておけば、「暫時=ざんじ」と自然に出てくるでしょう。

「暫」の漢字の成り立ちイメージ

暫時の使い方と例文

暫時は文章の中でどのように使うのでしょうか。ビジネスシーン・日常・文学作品の3つに分けて、例文を紹介します。

ビジネスシーンでの使い方

ビジネスの場面では、丁寧な文章やフォーマルな案内文で使われることがあります。

  • 「暫時お待ちいただけますでしょうか」
  • 「システムメンテナンスのため、暫時サービスを停止いたします」
  • 「暫時の猶予をいただければ幸いです」

いずれも「少しの間」という意味で使われています。「しばらくお待ちください」をかしこまった表現にしたいときに便利な言葉です。

日常会話・手紙での使い方

日常会話ではあまり使わない言葉ですが、手紙や改まった場面では登場します。

  • 「暫時のお別れとなりますが、お元気でお過ごしください」
  • 「暫時ご無沙汰しておりましたが、いかがお過ごしですか」

堅い印象の言葉なので、友人同士のやり取りよりも、目上の方への手紙や挨拶状に向いています。

羅生門に出てくる「暫時」の意味

芥川龍之介の短編小説『羅生門』には、次のような一文があります。

暫時は呼吸をするのさえ忘れていた。

これは下人が老婆の姿を目撃した場面で、あまりの驚きに「しばらくの間、息をするのも忘れていた」という意味です。

高校の国語の授業で『羅生門』の意味調べに取り組む際、暫時は頻出単語の一つです。「ざんじ=しばらくの間」と覚えておきましょう。

テストに出やすい単語なので、読み方と意味をセットで押さえておくと安心ですね。

暫時と漸次の違い──間違えやすい言葉を整理

暫時と最も混同されやすい言葉が「漸次(ぜんじ)」です。読み方が似ているため、意味を取り違える方が少なくありません。ここで違いを整理しておきましょう。

暫時(ざんじ)=しばらくの間

すでに説明したとおり、暫時は「短い時間」を指す言葉です。時間の長さそのものを表しています。

  • 「暫時休憩する」→ しばらくの間、休憩する
  • 「暫時お待ちください」→ 少しの間、お待ちください

漸次(ぜんじ)=だんだんと

一方、漸次は「しだいに」「少しずつ」という意味です。変化の過程を表す言葉で、時間の長さを示す暫時とはまったく異なります。

  • 「売上が漸次増加している」→ 売上がだんだん増えている
  • 「気温は漸次上昇するでしょう」→ 気温は少しずつ上がるでしょう

覚え方のコツ

2つの違いを一発で覚えるコツを紹介します。

覚え方のコツ
  • 暫時の「暫」→ 「斬る」が入っている → 時間を断ち切る → 短い時間
  • 漸次の「漸」→ 「さんずい」がある → 水が少しずつ流れる → だんだん

漢字のパーツに注目すると、意味の違いがイメージしやすくなります。

暫時=「しばらくの間」(時間の長さ)、漸次=「だんだんと」(変化の過程)。この違いだけ押さえておけば、混同することはありません。

暫時の類語と対義語

暫時と似た意味の言葉や、反対の意味を持つ言葉を確認しておきましょう。語彙の幅を広げることで、場面に合った表現を選びやすくなります。

類語:「しばらく」「少時」「一時」など

類語読み方意味
しばらくしばらく少しの間(口語的)
少時しょうじ少しの間(文語的)
一時いちじ・いっときある短い期間
須臾しゅゆほんの少しの間(古語)
片時かたときわずかな時間

日常会話なら「しばらく」、改まった場面なら「暫時」「少時」を使うと自然です。

対義語:「永久」「恒久」など

対義語読み方意味
永久えいきゅういつまでも続くこと
恒久こうきゅう長く変わらないこと
永遠えいえん果てしなく続くこと

暫時が「短い時間」を意味するのに対し、対義語はいずれも「長く続く」ことを表す言葉です。

暫時・随時・順次・漸次の違い一覧

「暫時」と読み方や字面が似ている言葉は他にもあります。「随時」「順次」「漸次」と合わせて、4つの言葉を一覧で比較してみましょう。

4つの言葉を比較表で整理

言葉読み方意味例文
暫時ざんじしばらくの間暫時お待ちください
漸次ぜんじだんだんと漸次回復に向かう
随時ずいじいつでも・その都度随時受付しております
順次じゅんじ順番に・次々と順次発送いたします

4つとも「○じ」という読み方で終わるため紛らわしいですが、意味はそれぞれまったく異なります。上の表をブックマークしておくと、迷ったときにすぐ確認できて便利です。

暫時・漸次・随時・順次の意味比較イラスト

まとめ

この記事では「暫時」の意味・読み方・使い方を解説しました。最後に要点を振り返りましょう。

この記事のまとめ
  • 暫時の読み方は「ざんじ」、意味は「しばらくの間」
  • 「漸次(ぜんじ)=だんだんと」との混同に注意
  • 羅生門では「暫時は呼吸をするのさえ忘れていた」の形で登場する
  • ビジネスでは「暫時お待ちください」のように丁寧表現として使える

漢字の成り立ちに注目すると覚えやすくなります。「暫=斬る=時間を断ち切る=短い時間」と結びつけて、ぜひ語彙に加えてみてください。

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