「二つ返事」の意味とは
「二つ返事(ふたつへんじ)」とは、すぐに快く承諾することを意味する慣用句です。頼みごとや依頼に対して、ためらいなく「はい、はい」と返事をする様子から生まれた表現で、前向きに引き受ける姿勢を表しています。
「二つ返事」の読み方と基本的な意味
読み方は「ふたつへんじ」です。辞書では次のように説明されています。
- 「はい」と二度返事をすること
- すぐに承諾すること。快諾
ポイントは「二つ」の部分にあります。返事を二度重ねるほど気持ちがこもっている、つまり積極的に応じるという意味合いです。嫌々「はい、はい」と流す返事とはまったく違うので注意しましょう。
「二つ返事で引き受ける」とはどういうこと?
もっとも多く使われるのが「二つ返事で引き受ける」という形です。これは「喜んですぐに引き受ける」という意味になります。
たとえば「頼まれた仕事を二つ返事で引き受けた」と言えば、嫌がらずにすんなり承諾した様子が伝わります。

「二つ返事」の語源・由来
「二つ返事」の語源は、文字通り「はい」を二度重ねて返事をすることにあります。相手の依頼に応えたい気持ちが強く、思わず「はい、はい」と前のめりに返事をする様子が語源です。
「はい」を二度重ねることが語源
現代では「はいはい」と二度返事をすると、ぞんざいな印象を持つ方もいるでしょう。しかし、本来は「一度の返事では足りないほど乗り気である」というニュアンスでした。快く応じる気持ちがあふれて、返事が二つになるというわけです。
いつ頃から使われている言葉?
「二つ返事」は古くから使われている表現で、少なくとも江戸時代には広く用いられていたとされています。時代が変わっても、快諾を表す言葉として日本語の中にしっかりと定着してきました。
「二つ返事」と「一つ返事」の違い
正しいのは「二つ返事」です。「一つ返事」は本来の日本語としては誤用にあたります。ただし、近年は「一つ返事」を使う人も増えており、ことばの変化として注目されています。
「一つ返事」は誤用?正しいのはどっち?
「返事は一回で十分」「はいは一度だけが礼儀正しい」という考えから、「一つ返事」のほうが正しいと思い込んでいる方も少なくありません。しかし、辞書に載っているのは「二つ返事」のほうです。
「一つ返事」が広まった背景には、「はいはい」という二度返事がぞんざいに聞こえるという現代の感覚があると考えられています。
- 「二つ返事」→ 正しい用法(辞書に掲載あり)
- 「一つ返事」→ 本来は誤用(ただし通じる場面も多い)
文化庁の世論調査でわかる誤用の実態
文化庁が実施した「国語に関する世論調査」では、次のような結果が出ています。
| 調査年度 | 「二つ返事」を選んだ人 | 「一つ返事」を選んだ人 |
|---|---|---|
| 平成23年度 | 42.9% | 46.4% |
| 令和2年度 | 52.4% | 37.4% |
平成23年度の時点では「一つ返事」を正しいと考える人のほうが多数派でした。しかし令和2年度には逆転し、「二つ返事」が正しいと認識する人が過半数を超えています。
「二つ返事」の使い方と例文
「二つ返事」は「二つ返事で〜する」という形で使うのが基本です。ここでは日常とビジネス、それぞれの場面にあわせた例文を紹介します。
日常会話での例文
- 友人に引っ越しの手伝いを頼んだら、二つ返事で来てくれた。
- 母にお菓子作りを手伝ってほしいと言うと、二つ返事で引き受けてくれた。
- 旅行の誘いに二つ返事でOKしてくれたので、すぐに予約を取った。
ビジネスシーンでの例文
- 急な案件だったが、Aさんは二つ返事で対応してくれた。
- 新プロジェクトへの参加を打診したところ、二つ返事で承諾いただいた。
- 取引先に納期前倒しをお願いすると、二つ返事で応じてくださった。
使うときの注意点
「二つ返事」を使う際に気をつけたいポイントがあります。
- 目上の人の行動に「二つ返事」を使ってもいい?
-
使えます。「部長が二つ返事で承認してくださった」のように、相手の快い対応を表す場面で問題ありません。
- 自分の行動に使うと軽く聞こえない?
-
「二つ返事でお受けします」は前向きな印象を与える表現です。ただし、深く考えずに引き受けたと誤解されないよう、背景の説明を添えると丁寧でしょう。

「二つ返事」の類語・言い換え表現
「二つ返事」と似た意味を持つ言葉はいくつかあります。場面にあわせて使い分けると、表現の幅が広がるでしょう。
似た意味の慣用句・ことわざ
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| 快諾する | 気持ちよく承諾すること |
| 即答する | すぐに答えること |
| 快く引き受ける | 喜んで引き受けること |
| ふたつ返事もせずに | 返事をする間もないほど即座に応じる様子 |
反対の意味を持つ表現としては、「渋々引き受ける」「しぶしぶ承諾する」「難色を示す」などがあります。
ビジネスで使える言い換え
「二つ返事」はややカジュアルな印象もあるため、フォーマルな場面では言い換えが便利です。
- 「快くお引き受けいただきました」
- 「ご快諾いただきました」
- 「即座にご承諾くださいました」
「二つ返事」は話し言葉やカジュアルな文章で使いやすい表現です。ビジネス文書や改まった場面では「ご快諾」「即座にご承諾」などの言い換えも覚えておくと役立ちます。


まとめ
「二つ返事」の大事なポイントを整理しておきましょう。
- 「二つ返事」は、ためらわずにすぐ承諾することを意味する
- 語源は「はい」を二度重ねるほど乗り気な様子から
- 「一つ返事」は誤用。正しくは「二つ返事」
- 文化庁の調査では、令和2年度に正答率が52.4%に回復
- 「二つ返事で引き受ける」の形で使うのが基本
- フォーマルな場面では「ご快諾」「即座にご承諾」などに言い換え可能
日常でもビジネスでも使える便利な慣用句なので、正しい意味と使い方をぜひ覚えておいてください。

