カレンダーや手紙で「皐月」という言葉を見かけて、「あれ、五月と何が違うんだろう?」と気になったことはありませんか。同じ「5月」を指すように見えて、なんとなく雰囲気が違うこの2つの言葉。実は、読み方も使われる場面もはっきり違いがあります。
この記事では、皐月と五月の違いを比較表でひと目で確認できるように整理しました。読み方・意味・使い分けまで、もやもやがスッキリ晴れるはずです。

皐月と五月の違いをひと目で確認|結論早見表
結論からお伝えすると、皐月と五月はどちらも「5月」を指しますが、使う場面と読み方が異なります。皐月は和風月名としての風情ある表現、五月は数字を使った現代的な表現です。
同じ「5月」を指す言葉だが、ニュアンスと読み方が違う
皐月(さつき)は、日本に古くから伝わる和風月名のひとつです。一方の五月は、現代のカレンダーや日常会話で使う「ごがつ」が一般的な読み方になります。
意味する月そのものは重なっていますが、文章に与える印象や使われる文脈が大きく違うのが特徴です。
違いを3秒で把握できる比較表
| 項目 | 皐月 | 五月 |
|---|---|---|
| 読み方 | さつき | ごがつ(さつきとも読む) |
| 分類 | 和風月名・異名 | 数字による月名 |
| 主な使用場面 | 手紙・俳句・和歌・時候の挨拶 | カレンダー・ビジネス・日常会話 |
| 印象 | 古風で風情がある | 正確で実用的 |
| 由来 | 田植え・早苗にまつわる古語 | 1年の5番目の月という数の表現 |
まずおさえたい3つのポイント
- 皐月は和風月名、五月は数字による月名で、どちらも「5月」を指す
- 「五月」は文脈によって「ごがつ」とも「さつき」とも読む
- 手紙や俳句では皐月、ビジネスや日常会話では五月が選ばれやすい
そもそも「皐月(さつき)」とは?意味と由来
皐月は、旧暦5月の異称として古くから使われてきた和風月名です。現在では新暦の5月の別名としても親しまれています。
「皐月」の読み方と漢字の意味
皐月の読み方は「さつき」です。「皐」という漢字は日常ではあまり見かけませんが、「水辺」や「神に捧げる稲」といった意味を持つとされる漢字です。
「月」と組み合わさることで、稲作にまつわる神聖な月という意味合いが浮かび上がってきます。
由来の説(1)早苗月(さなえづき)が縮まった
もっとも有力とされるのが、早苗月(さなえづき)が縮まって「さつき」になったという説です。旧暦5月は田植えがさかんに行われる時期で、植えられたばかりの若い稲の苗を「早苗(さなえ)」と呼びました。
「早苗を植える月」という意味の「さなえづき」が、時代を経て「さつき」へと短くなったと考えられています。
由来の説(2)「皐」は神に捧げる稲を指す
もうひとつの説は、「皐(さ)」という字そのものに「神に捧げる稲」の意味があり、そこから「皐月」が「神聖な稲の月」を表すようになったというものです。
「さ」で始まる稲作関連の言葉(早苗・早乙女・五月雨など)は、いずれも田植えにまつわる神聖さを共有していると見る研究者もいます。どちらの説も、皐月という言葉の根っこに「田植え」があることは共通しています。
「五月」の読み方は2通り|「ごがつ」と「さつき」の使い分け
意外と知られていないのが、「五月」という漢字には「ごがつ」と「さつき」の2通りの読み方があるという点です。同じ表記でも、文脈によって読み分けが必要になります。

普段は「ごがつ」と読むのが一般的
カレンダー、ニュース、日常会話、ビジネス文書では「五月」は「ごがつ」と読みます。「五月の連休」「五月の決算」「五月生まれ」のように、数字の月名として使う場合はすべて「ごがつ」です。
現代の生活で「五月」を見かけるほとんどの場面が、この読み方にあたります。
古典・俳句・熟語では「さつき」と読むことがある
一方、古典文学や俳句、特定の熟語の中では「五月」を「さつき」と読みます。これは、和風月名としての読み方を漢字表記に当てたものです。
- 俳句の季語としての「五月」(さつき)
- 和歌や古文の中の「五月」(さつき)
- 「五月闇(さつきやみ)」「五月晴れ(さつきばれ)」のような熟語
同じ「五月」でも、現代文の中なら「ごがつ」、古典や俳句の中なら「さつき」と、文脈で読みを切り替えるのが日本語の面白いところです。
「五月雨」「五月晴れ」の読み方
「五月」を含む熟語の読み方は、知っておくと役立ちます。代表的なものを整理してみましょう。
| 熟語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 五月雨 | さみだれ | 旧暦5月ごろに降り続く長雨(≒梅雨) |
| 五月晴れ | さつきばれ | 本来は梅雨の合間の晴れ間、現在は新暦5月の快晴も指す |
| 五月闇 | さつきやみ | 梅雨時の夜の暗さ |
| 五月人形 | ごがつにんぎょう | 端午の節句に飾る人形 |
皐月と五月の使い分け|場面別の選び方
実際に使う場面では、どちらを選べばよいか迷うことがあります。基本ルールは「風情を出したいなら皐月、正確さを優先するなら五月」です。
手紙・時候の挨拶では「皐月」が風情を出す
5月の手紙やはがきの書き出しに使う時候の挨拶では、皐月が好まれます。和風月名は四季の移ろいや日本的な趣を感じさせる表現として、長く親しまれてきました。
- 皐月の風がさわやかな季節となりました
- 皐月晴れの空が心地よい今日この頃
- 新緑の皐月、いかがお過ごしでしょうか
ビジネス・公的文書では「五月(ごがつ)」が無難
ビジネス文書、契約書、報告書、案内状などでは「五月」を使うのが基本です。日付や期日を明確に伝える場面では、和風月名よりも数字の月名のほうが誤解を生みません。
「5月15日(水)」のようにアラビア数字で書くケースも多く、こちらも実用的な表記です。
俳句・和歌では季語として「皐月」を使う
俳句では「皐月」「五月」(どちらも「さつき」と読む)が夏の季語として扱われます。旧暦5月は現在の暦では初夏から梅雨にあたるため、夏の季語に分類されているのです。
同じ俳句の世界でも、五月雨(さみだれ)、五月晴れ(さつきばれ)など派生する季語が多く、季節感を細やかに表現する材料として今も使われ続けています。

「皐月」と「五月」って、結局どっちが正しいの?



どちらも正しい表現です。手紙なら皐月、カレンダーなら五月、と場面で選び分けると自然になりますよ。
旧暦の皐月と新暦の5月はどう違う?
皐月という言葉が生まれた当時の暦は「旧暦(太陰太陽暦)」で、現在私たちが使っている「新暦(グレゴリオ暦)」とは時期にズレがあります。
旧暦の皐月は新暦の5月下旬〜7月上旬にあたる
旧暦の5月(皐月)を新暦に換算すると、おおむね5月下旬から7月上旬ごろにあたります。月によって最大1か月以上のずれが生じるため、季節感も今とは少し違いました。
旧暦の皐月は、まさに田植えと梅雨の真っただ中。だからこそ「早苗月」「五月雨」といった、稲作と長雨にまつわる言葉が多く生まれたのです。
現代では新暦5月の別名としても使われる
本来は旧暦5月を指す皐月ですが、現代では新暦5月の異名としても定着しています。カレンダーや手紙、俳句の世界でも、新暦5月の意味で皐月を使うことが一般的です。
厳密に旧暦と新暦を区別する場面は限られており、日常では「皐月=新暦の5月」と覚えておいて問題ありません。


皐月・五月にまつわるよくある質問
- 「皐月」と「早月」はどう違う?
-
どちらも「さつき」と読み、5月を指す和風月名です。「早月」は「早苗月」を縮めた表記とされ、由来の説をそのまま字に残したもの。意味はほぼ同じですが、現代では「皐月」のほうが一般的です。
- 名前に「皐月」を使うのはアリ?
-
はい、女性の名前として人気があります。和風で響きがやわらかく、5月生まれのお子さんによく選ばれています。漢字の「皐」は常用漢字外ですが、人名用漢字として使用が認められています。
- 植物の「サツキ(皐月)」と月名の「皐月」は関係ある?
-
関係があります。サツキ(皐月)はツツジ科の植物で、ちょうど旧暦5月(=新暦5〜6月)ごろに花を咲かせることから、月名にちなんで「皐月」と呼ばれるようになりました。
- 「皐月」を「こうげつ」と読むことはある?
-
月の名としての「皐月」は「さつき」と読みます。「皐」を音読みで「コウ」と読むことはありますが、「皐月」を「こうげつ」と読む用例は一般的ではありません。
- 5月以外にも和風月名はある?
-
もちろんあります。1月(睦月)から12月(師走)まで、それぞれに名前があり、由来や込められた意味もさまざまです。皐月だけでなく、他の月の異名も合わせて知ると、日本語の奥深さがいっそう楽しめます。
まとめ|皐月と五月の違いを正しく使い分けよう
皐月と五月の違いは、「和風月名か数字の月名か」というシンプルな対比で整理できます。最後に要点をおさらいしましょう。
皐月(さつき)は和風月名で、手紙・俳句・和歌など風情を出したい場面で使う。五月は「ごがつ」と読むのが一般的で、カレンダー・ビジネス・日常会話で活躍する。ただし古典や熟語では「五月」も「さつき」と読むことがある。
由来をたどれば、皐月は「早苗月」や「神に捧げる稲」など、田植えにまつわる古い暮らしの記憶を今に伝える言葉です。「五月」と書くか「皐月」と書くか、たったそれだけの選択でも、文章の印象はずいぶん変わります。
場面に合った漢字を選んで、日本語ならではの季節感を味わってみてください。同じ5月でも、ぐっと豊かな表情を見せてくれるはずです。








