オオイヌノフグリの由来とは?名前の意味と「フグリ」の正体を解説

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春先の道ばたで、青い小さな花をたくさん咲かせる「オオイヌノフグリ」。かわいらしい見た目とは裏腹に、その名前にはちょっと驚くような意味がかくれています。

この記事では、オオイヌノフグリという名前の由来を、できるだけわかりやすく整理しました。「フグリ」の正体や、名付け親、別名の話まで、読み終えるころには人に話したくなるはずです。

青い花をたくさん咲かせるオオイヌノフグリの群生
目次

オオイヌノフグリの由来をひとことで

結論からお伝えすると、オオイヌノフグリの名前は「大きいイヌノフグリ」という意味です。在来種の「イヌノフグリ」という植物に似ていて、それよりも花や草が大きいことから付けられました。

そして由来になったのは、じつは花ではなく「実(み)」の形。ここが多くの人が誤解しやすいポイントです。順番に見ていきましょう。

名前の意味は「大きいイヌノフグリ」

オオイヌノフグリは、名前を3つに分けると意味がよく見えてきます。「オオ(大)」+「イヌ(犬)」+「フグリ」という組み立てです。

もともと日本には「イヌノフグリ」という在来の植物がありました。それによく似ていて、花も草姿もひとまわり大きいことから「オオ」が付いたというわけです。

由来になったのは花ではなく「実」

青い花が印象的なので、つい花の形が名前の由来だと思いがちです。ところが名前のもとになったのは、花のあとにできる「実」の形でした。

この実の見た目が、ある動物の体の一部に似ていたことが、ユニークな名前につながっています。次の章でくわしく見ていきます。

ここがポイント

名前の由来は「青い花」ではなく「花のあとにできる実の形」。まずこの一点をおさえておくと、由来がスッと理解できます。

「フグリ」とは何?名前の正体

「フグリ」とは、犬の陰嚢(いんのう)、いわゆるタマタマのことを指す古い言葉です。つまりオオイヌノフグリは、直訳すると「大きな、犬のタマタマ」という意味になります。

愛らしい花からは想像しづらい名前ですが、これは昔の人が植物の形を素直に言い表した結果でした。

フグリ=犬の陰嚢のこと

「フグリ」は、現代ではあまり使われなくなった言葉です。漢字では「陰嚢」と書き、男性や動物のオスの体の一部を指します。

昔の人は、植物の特徴をたとえるときに身近なものを使いました。動物の体の一部を引き合いに出すのも、その自然な感覚のひとつだったのです。

実の形が由来になった理由

オオイヌノフグリの実は、ふたつの丸いふくらみがくっついたような形をしています。この左右に並んだふくらみが、犬の陰嚢を思わせるとされました。

そのため「犬のフグリ(に似た実をつける草)」と呼ばれるようになり、それより大きい種類が「オオイヌノフグリ」になった、という流れです。

花だけ見ると上品なのに、名前のもとは実だったなんて意外ですよね。

「オオ(大)」がつく理由|在来種イヌノフグリとの関係

「オオ」が付くのは、基準となる「イヌノフグリ」という在来種が別に存在するからです。両者を比べると、オオイヌノフグリのほうが花も葉もはっきり大きいのがわかります。

名前の由来を知るうえで、この在来種の存在はとても大切な手がかりになります。

もとになった在来種「イヌノフグリ」

イヌノフグリは、日本に古くから自生している在来種です。オオイヌノフグリにくらべて花も葉も小さく、花の色は淡いピンクや白っぽい色をしています。

一方のオオイヌノフグリは、ヨーロッパ原産の外来種です。鮮やかな青い花を咲かせ、サイズもひとまわり大きいのが特徴です。

2種類の違い

イヌノフグリ(在来種)…花も葉も小さい・淡いピンクや白・日本に古くから自生

オオイヌノフグリ(外来種)…花も葉も大きい・鮮やかな青・ヨーロッパ原産

今は絶滅危惧種になっている

名前のもとになった在来種のイヌノフグリは、今では数を大きく減らしています。環境省のレッドリストでも絶滅危惧種として扱われています。

外来種であるオオイヌノフグリのほうが各地に広がり、もとの「イヌノフグリ」のほうが見つけにくくなっているのは、なんとも皮肉な話です。

和名を整理した植物学者・牧野富太郎

オオイヌノフグリのような身近な野草の和名は、植物学者たちの手で一つひとつ整理されてきました。その代表が「日本の植物学の父」と呼ばれる牧野富太郎(まきの とみたろう)です。

道ばたの何気ない草にも、研究者が観察して名前を与えてきた歴史があります。

牧野富太郎と日本の植物図鑑

牧野富太郎は、生涯にわたって日本中の植物を採集し、数多くの植物に学名や和名を与えました。その業績は、今の日本の植物図鑑づくりの土台になっています。

オオイヌノフグリの名も、在来種のイヌノフグリとの関係を踏まえて整理された和名のひとつです。先人の観察眼が、今も名前として残っているのです。

オオイヌノフグリの別名と学名の由来

少し気の毒にも思える名前ですが、オオイヌノフグリには美しい別名もたくさんあります。さらに学名には、ヨーロッパの伝説にちなんだ意味がこめられています。

見方を変えると、まったく印象の違う名前を持つ花でもあるのです。

「星の瞳」「瑠璃唐草」という美しい別名

オオイヌノフグリには、「星の瞳(ほしのひとみ)」「瑠璃唐草(るりからくさ)」といった別名があります。どちらも青く澄んだ花の様子をよく表した呼び名です。

地面いっぱいに咲く小さな青い花を、星や瑠璃色の宝石に見立てた、やさしいネーミングだといえます。

学名Veronicaは聖女ベロニカから

オオイヌノフグリの学名には「Veronica(ベロニカ)」という言葉が使われています。これは、キリスト教の伝説に登場する聖女ベロニカの名にちなむとされています。

そうした背景から、花言葉には「信頼」「清らか」といった、けがれのない言葉が結びつけられています。和名と学名で、ここまで雰囲気が変わるのも面白いところです。

よくある質問

オオイヌノフグリの名前の由来は花の形ですか?

いいえ。由来になったのは花ではなく、花のあとにできる「実」の形です。実が犬の陰嚢に似ていることから名付けられました。

「フグリ」とはどういう意味ですか?

「フグリ」は犬の陰嚢(タマタマ)を指す古い言葉です。実の形がそれに似ていたことが名前のもとになっています。

「オオ」が付くのはなぜですか?

在来種の「イヌノフグリ」に似ていて、それより花や草が大きいためです。「大きいイヌノフグリ」という意味になります。

オオイヌノフグリにきれいな別名はありますか?

「星の瞳」「瑠璃唐草」などの美しい別名があります。青く澄んだ花の様子に由来する呼び名です。

まとめ|オオイヌノフグリの由来

オオイヌノフグリの名前は、ユニークながらも筋の通った由来を持っています。最後に要点を整理しておきましょう。

  • 名前の意味は「大きいイヌノフグリ」
  • 由来は花ではなく「実」の形(犬の陰嚢に似ている)
  • 「オオ」は在来種イヌノフグリより大きいことを示す
  • 名付け親は植物学者・牧野富太郎とされる
  • 「星の瞳」「瑠璃唐草」など美しい別名もある
まとめ

オオイヌノフグリは「実の形が犬のフグリ(陰嚢)に似た、大きい草」。見た目の青い花とは別のところに、名前の由来があるのです。

次の春、青い花を見かけたら、ぜひ足もとの小さな実にも目を向けてみてください。名前の由来を知っていると、いつもの散歩が少しだけ楽しくなりますよ。

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