木で鼻をくくる由来は?元は「こくる」だった理由

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「木で鼻をくくる」という言葉は知っていても、その由来となった行為が何だったのかは意外と知られていません。木で鼻を「くくる」とは、いったいどんな行為なのでしょうか。

結論からお伝えすると、由来となったのは木の切れ端などで鼻汁(はなじる)をぬぐった行為です。しかも、もともとは「くくる」ではなく「こくる」という言葉でした。

この記事では、「木で鼻をくくる」の由来となった行為と、なぜ「無愛想・冷淡な態度」を表すようになったのかを、わかりやすく解説します。

目次

「木で鼻をくくる」の由来となった行為とは?

「木で鼻をくくる」の由来となった行為は、木の切れ端で鼻汁をぬぐう(こする)ことです。紙が貴重だった時代に、鼻をかむ代わりに木で鼻のまわりをこすった、という行為がもとになっています。

木の切れ端と、紙が貴重だった昔の暮らしをイメージしたイラスト

答え:木で鼻汁を「こくった(擦った)」行為

昔の人は、鼻をかむときに必ずしも紙を使えたわけではありませんでした。そこで身近にあった木の切れ端を使い、鼻のまわりをぬぐったとされています。

この「木でこする」しぐさが、言葉の由来になったと考えられています。やわらかい紙ではなく、かたい木で鼻をこするのですから、けっして気持ちのよい行為ではありません。

木で鼻をこするなんて、想像するだけで痛そうですよね。

なぜ木で鼻を擦った?紙が貴重だった時代背景

かつての日本では、紙はとても高価で貴重なものでした。今のように気軽に使い捨てできる品ではなかったのです。

そのため、庶民は紙を惜しんで、鼻をかむときに木の切れ端や葉などで代用することがありました。木で鼻をぬぐう行為は、紙を節約するための生活の知恵でもあったわけです。

由来のポイント

紙が貴重だった時代、鼻汁を木の切れ端でぬぐった(こすった)行為が「木で鼻をくくる」のもとになりました。

元は「木で鼻をこくる」だった|「くくる」に変化した理由

実は「木で鼻をくくる」は、もともと「木で鼻をこくる」という形でした。「こくる」が時代とともに「くくる」へと変化し、現在の言い方になったとされています。

「こくる」の意味は「擦る・こする」

「こくる」とは、強くこする・なでつけるという意味の古い言葉です。つまり「木で鼻をこくる」は、文字どおり「木で鼻をこする」という意味になります。

由来となった行為が「鼻をこする」ことだったと考えると、「こくる」のほうが意味の通る言葉だとわかります。

「くくる(括る)」では意味が通らない

一方、現在使われている「くくる」は「括る(しばる・束ねる)」と書きます。しかし、木で鼻を「しばる」のでは、意味が成り立ちません。

もともとの「こくる」が、発音の似た「くくる」に置きかわった結果、漢字で書こうとすると意味が合わなくなってしまった、というわけです。

言葉の変化

「こくる(=こする)」→「くくる」へと音が変化。由来を知ると「こくる」のほうが自然だとわかります。

「木で鼻をくくる」の意味|無愛想・冷淡な態度

「木で鼻をくくる」は、無愛想で冷淡な態度をとることを表す慣用句です。そっけない受け答えや、思いやりのない対応を指すときに使われます。

なぜ無愛想を表すようになったのか

木で鼻をこすると、痛くて顔がゆがんでしまいます。その不快そうな表情が、無愛想で冷たい態度に重なったという説があります。

このほかにも、紙を使わせず木で鼻をぬぐわせた、けちで無情なあるじの態度に由来するという説もあります。いずれにせよ、「気持ちのよくない、そっけない様子」というイメージが共通しています。

「木で鼻をくくったような返事」と言えば、冷たくそっけない返事のことなんですね。

「木で鼻をくくる」の使い方|例文で確認

「木で鼻をくくる」は、相手の態度がそっけなく冷たいと感じたときに使います。多くは「木で鼻をくくったような」という形で用いられます。

道を尋ねたのに、木で鼻をくくったような返事しかもらえなかった。

問い合わせの電話をしたら、担当者は木で鼻をくくったような対応だった。

いくら話しかけても木で鼻をくくるような態度で、まるで取り合ってくれない。

このように、人の冷たくそっけない対応を表すときにぴったりの言葉です。なお、自分の態度を謙遜して使うことはあまりなく、相手の様子を述べるときに用いるのが一般的です。

「木で鼻をくくる」の類語・言い換え

「木で鼻をくくる」と似た意味を持つ言葉には、次のようなものがあります。どれも「そっけない・冷たい態度」を表す表現です。

言葉意味
けんもほろろ頼みごとなどを、無愛想に断るようす
取り付く島もない相手がそっけなく、話のきっかけさえつかめないようす
にべもない愛想がなく、そっけないようす
つっけんどん態度や言い方がとげとげしく冷たいようす

言いかえたいときは、その場の雰囲気に合わせてこれらの表現を使い分けると、ニュアンスを伝えやすくなります。

よくある質問

「木で鼻をかむ」は間違いですか?

「木で鼻をくくる」が本来の言い方です。ただし「木で鼻をかむ」という形で使われることもあり、意味はほぼ同じく「無愛想な態度」を指します。由来をふまえると、もとは「こくる(こする)」であった点を知っておくとよいでしょう。

「高を括る」の「括る」と同じ意味ですか?

別物です。「高を括る」の「括る」は「見積もる・まとめる」という意味で使われています。一方「木で鼻をくくる」の「くくる」は、もともと「こくる(こする)」が変化したもので、漢字の「括る」とは意味のつながりがありません。

「木で鼻をくくる」はほめ言葉として使えますか?

使えません。冷たく無愛想な態度を表す言葉なので、相手を評価するような場面ではなく、そっけない対応を述べるときに使います。

「くくる」つながりで、漢字の使い分けが気になる方には、こちらの記事もおすすめです。

まとめ

「木で鼻をくくる」の由来となった行為は、木の切れ端で鼻汁をぬぐった(こすった)ことです。元は「木で鼻をこくる(こする)」で、それが「くくる」に変化しました。木で鼻をこする不快な様子が、無愛想で冷淡な態度を表す言葉になったのです。

由来を知ると、ことわざや慣用句がぐっと身近に感じられます。言葉のなりたちをたどると、昔の暮らしや人の気持ちまで見えてくるのがおもしろいところです。

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